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「バウムクーヘンとミルクって合うよね」
彼女は楽しそうにテーブルの向かい側で僕に語りかけた。
「あぁ、紅茶と併せても美味しいよ」
「私はやっぱミルクが一番よ」
多佳子は牛乳をレンジにかけると僕のために紅茶も淹れてくれた。
「多佳子は乳製品が好きだよな」
「隆司は本当紅茶が好きだね。某刑事ドラマの影響?」
「多佳子、レモンも頼むよ。いやぁね、細かいところが気になる性分でして」
と不敵な笑みを浮かべてちゃかした。
「え、似てないよ」
多佳子はレモンを切ってからミルクに角砂糖を入れて座った。
「バウムクーヘンって本場ドイツでは珍しい食べ物なんだって」と多佳子。
小さくちぎったそれを頬張りながらミルクを少し口にした。
満足げだった。
「珍しい?どこにでもあるよね」
近くのスーパーの店頭にあったのを買ってきたと聞いてたから間違いないはずだ。
「でもね、ドイツではそこら辺に売ってるって訳ではないのよ。専門店で探さないとないのよ」
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