君と、星空と、僕と。

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2人が出会ったのは2ヶ程月前の、冬のこと。 「 五島さん。最近はどうですか?眠れていますか?」 男は今年30になる。作家で成功するという夢を持ち今までフリーターでここまできたが、一作品以外売れたものはなく、現実と夢の狭間での葛藤からストレスを抱え不眠症に悩まされていた。 「 はあ。少しは 」 そんな訳ないだろうと、こぼす様に溜息を吐き出す。 「 清水さん、仕事体力仕事でしょ?そろそろ職場にも話してみて 」 内科を受診している、女。 主治医だろうか、優しそうな女医さんが心配そうに女の手を摩る。 「 はい。でも、あの子達もうすぐ卒園なんです。最後は、私の手で送り出してあげたいんです 」 " どうか春まで、待ってください " そう言う女は、笑顔だった。
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