ミッション 1-A 『 特殊女工作員 沖田 涼楓 』

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

ミッション 1-A 『 特殊女工作員 沖田 涼楓 』

2019年8月28日 AM 06時45分…。 都内の沖田 涼楓のアパートのFAXが何かを印刷し始める。 涼楓は、21歳、公安部の特別特殊潜入工作員であり、女優の『波瑠』似の美人工作員。 涼楓は近くのコンビニで『大学生』としてバイトをする『仮の身』も演じ、バイトは情報収集も兼ねていた。 涼楓はドリップ珈琲を啜りながらFAX を一読した。 涼楓は思わず、FAXの内容を1人暮らしのワンルームのアパートで呟いた…。 「『F. M. G. A 』=ファマガ日本支部のアジトが、都内近隣の山中に…。これが、その周辺地図なわけね。いよいよアジトに潜入だわ!腕がなるわ!」 『F. M. G. A』=ファマガとは、ナチスドイツ残党の女だけの悪の秘密結社であり、ナチス親衛隊(SS )の女性部隊が母体である。同じナチスドイツ残党から枝分かれした悪の秘密結社『ショッカー』とは、深い関係にあった。 改造人間技術の共有はその冴えたるものだ。 ファマガでの改造人間=怪人は全て女怪人となる。 また、下級兵士も女であり、黒覆面を被り顔は結社以外の人間には決して明かさない。女黒覆面戦闘兵と呼ばれ、公安部ではコードネームを『レディーコマンド』と呼称している。 また、女白覆面衛生兵タイプも存在し、公安部はコードネーム『ナースコマンド』と呼称されていた…。 「よし、コンビニの店長にラインしよ。仮病を装い、今日のバイトを休みにしなくちゃ!ファグマのアジトに潜入出来ないよぉ!」 涼楓は、コンビニの店長宛に仮病のラインを送信した…。 コンビニの店長からは 店長:涼ちゃん、夏の猛暑の 疲れかな? 了解。 ゆっ くり休んで。 替わりは 野郎のバイトに回すか ら。お大事に! 涼ちゃ ん。 あたし: 優しい💕 店長…。 すみません。宜しく お願い致します。 あたしは、ラインを返信した。 「よし。仮病完了!急いで準備して、本職の特殊潜入工作員の任務をしなきゃね!」 涼楓は鼻歌混じりに、潜入工作員としての必要物品を公安より支給された、迷彩柄のリックサックに詰め始めた。 迷彩柄のリックサックに荷物詰め終わると、迷彩柄の長袖のサマーブルゾンに迷彩柄のキャップを被り、ジーパンを履いた。そして、黒いスニーカーを履くと、リックを左肩に担ぎ、アパートの鍵を掛け、黒い愛車に向かい2階なら、階段を降りた。 リモコンキーで愛車のドアロックを解除し、涼楓はリックをサイドシートに置き、愛車に乗り込んだ。 キーを差し、イグニッションを回す。ターボ付きのエンジンは重低音のサウンドがマフラーから排出された。 「ファマガのアジトに、 Let's go!」 涼楓は、若い女性には珍しく、5速ミッションのシフトレバーを1速に入れ、サイドブレーキを解除、右のウィンカーを着け、愛車を運転し始めた。 黒い愛車は、涼楓のセンスでドレスアップされ、軽自動車だった。 涼楓は首都高に乗り、千葉方面へ。ファマガ日本支部のアジトは千葉県内のある山の山中に建設されたとの、公安諜報部からの情報であり、既に同僚のベテラン女工作員がアジトに先行潜入し、涼楓の到着を待っているとのお膳立ては完璧に出来ていた。 涼楓がアジト近くに着いたら、公安割り当ての専用周波数で、そのベテラン女工作員とは連絡を取る手筈だった。 「ベテラン女工作員か…。 なら、二ノ宮さんかしら? それとも、松井さんかな? それとも、安達さんかも。 結構、うちの部署はファマガ対策なのか以外に、ベテラン女工作員って居るのよね。笑」 そう、涼楓はサングラスを車内で掛け一路、千葉を目指し首都高を駆け抜けた。 物語は2日前に遡る。ここは千葉県のある山の山中。 ファマガ日本支部の新アジト近くの山道。ベテラン女工作員の二ノ宮 真佐美は、新アジトへの潜入を試みていた。 ファマガ日本支部の新アジトは出入口は厳重に警備され、公安のコードネーム『レディーコマンド』たる女覆面黒戦闘兵が、十数人で出入口を固めており、重機関砲座まで備えていた。各女覆面黒戦闘兵も皆、各国のゲリラやテロリスト定番の自動小銃『カラシニコフ』=AK-47を構え、臨戦態勢を交代制で24時間警備していた。 「さすが新アジトね。ファマガめ! あれじゃあ、あたしでも容易には潜入出来ないわ。うん? あれは? よし決めた! あれをやるか。うふふ。これで苦労も怪我もせずに、新アジトに潜入出来るわ。」 ベテラン女工作員の、真佐美工作員は、アジトの偵察をしていた新アジトが見下ろせる山の高台から、場所を素早く移動した。 真佐美工作員は、新アジトに程近い細い山道脇の大木の影に身を隠し、あるファマガの部隊の通過を待った。 暫く、真佐美工作員が大木の影で待つと、さっき高台の偵察で発見した、女覆面黒戦闘兵のパトロール隊5名が姿を見せた。 真佐美工作員は、まだ、動かず、ある位置にいる女覆面黒戦闘兵が自分の隠れている山道脇の大木の前を通過するタイミングを計っていた。 真佐美工作員のお目当ての女覆面黒戦闘兵が、自分の隠れている大木の前を通過した。 真佐美工作員は、素早く大木から、姿を見せると、手際よくパトロール隊の5名の最後尾の女覆面黒戦闘兵の口を手で塞ぎ、もがき抵抗する女覆面黒戦闘兵を無理矢理、大木の影に引きずりこんだ。 そして、真佐美工作員は、その女覆面黒戦闘兵を大木の幹に押し付け、鳩尾を思い切り殴った。 すると、女覆面黒戦闘兵は、白目を剥き、覆面を被ったまま気絶しそのまま大木の幹づたいに座り込んだ。完全に気絶していた。 真佐美工作員は気絶した女覆面黒戦闘兵に向かって 「悪いわね。暫くの間、あんたの着ている覆面黒戦闘兵のユニフォーム、あたしが貸して貰うわ。ちゃんとあんたの任務のパトロールは、あたしが替わってあげるから。まあ、半分遊びでね。じゃあ、そのまま気絶しててね。下着以外はチャチャッと脱がせちゃうから。ね!」 そう、真佐美工作員は返答する訳もない気絶した戦闘兵に独り言を呟くと、馴れた手付きで、その覆面黒戦闘兵のユニフォームを脱がせ始めた。 まず、気絶した戦闘兵をうつ伏せにし、黒革のベルトの後ろの止め金を外し、今度は戦闘兵を仰向けにし、ファマガの3頭鷲の両足がドクロ掴んでいる意匠のエンブレムが大きくあしらわれたベルトを奪い、大木の根本の枯れ葉の上に一時的に置いた。 次に黒合皮製のジャンパースカートのダブルのボタンを引っ張りながら外し、ジャンパースカートをまた、大木の根本の枯れ葉の上に一時的に置いた。 次に履いていた黒革のグローブと黒革のブーツを脱がせた。戦闘兵の両手と両足が 素肌になった。 次にまた、気絶している戦闘兵を再び、うつ伏せにし、黒レオタード風のユニフォームのファスナーを首元から後腰まで一気に下ろし、本物の戦闘兵から脱がせた。 本物の戦闘兵はうつ伏せのまま覆面のみを被ったまま首から下は黒いブラと黒いショーツのみになり、なお気絶中。 真佐美工作員は脱がせた戦闘兵のユニフォームに手早く着替えた。かなり着なれているようで着衣には2分も掛からなかった。真佐美工作員は、首から下は既に黒戦闘兵姿 だった。 そして最後に、真佐美工作員は 「ごめんね。黒覆面、剥がさせて貰うわね。どんな顔か、あたしが判断するわね。」 そう呟くと、本物の戦闘兵 から黒覆面を剥ぎ盗った。 そして、素直の戦闘兵の顔を真佐美工作員は見やった。 「かなり若いわね。20代前半かしら? でもブス。あたしの方が、かなり美人みたい。あたし、31。何か?」 少し愚痴混じりに呟いた。 「あ、任務、任務。」 真佐美工作員はユニフォームを奪った戦闘兵が保持していたパトロール隊用の小型サブマシンガンを肩に背負い、大木の影から山道に姿を見せ、素早く黒覆面を被り、覆面を被りながら両目がきちんと見えるよう微調整をした。 「よし。これであたしは、 誰が見ても『レディーコマ ンド』だわ。」 真佐美工作員が化けた 偽女覆面黒戦闘兵は、 足早に本物のパトロール隊 4名と合流し、残りのパト ロールに付き合った。パト ロール隊の4名は最後尾の 同部隊の味方の女覆面黒戦 闘兵が、まさか真佐美工作 員に襲われ気絶させられ、 ユニフォームを全て脱がさ れ、そのユニフォームを公 安の特殊潜入工作員の一員 二ノ宮 真佐美工作員が着替え、黒覆面を被り戦闘兵に 化け、最後尾の戦闘兵と入 れ替わったことすら気づい ていなかった。 まあ、真佐美工作員がベテラン女工作員で、各国のファマガのアジトに何十回も女覆面黒戦闘兵に化けて潜入しており、化け方も手馴れており、合流も自然であるのも気づかない一因だったかもしれなかった。 そして、戦闘兵に化けた真佐美工作員はパトロールを終え、まんまと新アジトに潜入したのだった。 真佐美工作員は2日後に、敏腕美人工作員の涼楓が、このアジトに潜入するとの命令は潜入前に公安部より指示されていた。 そのため、真佐美工作員はアジト潜入後にアジト内の空倉庫に身を隠し、黒覆面を自ら脱いだ。 「毎回、戦闘兵に化けるのはもう馴れたから別に抵抗もないし、任務だから化けるけど、この黒覆面だけは、毎回だけど呼吸しづらいだよね。つい1人になると脱ぎたくなるわ。お肌も乾燥するしなぁ。ふー。」 真佐美工作員は黒覆面を脱ぎ、深呼吸した。 そして 「2日後には、涼楓がアジトに潜入か。まあ、今回の任務は涼楓がアジトに潜入しやすいように手引きする為の先行潜入だからね。確か、涼楓は背があたしよりも高かったわよね。171くらいかな。あたしが161だからね。早めに赤戦闘兵を1人気絶させなきゃね。まずはね。アジト内なら何人も小隊長の赤戦闘兵は居るしね。1人くらい数分間、姿を消しても誰も気づかないわ。さあ、赤戦闘兵にまた化け直さないとな。涼楓のためにもね。」 真佐美工作員はそういうと、再び、呼吸しづらい黒覆面を再び、被り直し、空倉庫を後にしアジトの奥に、女覆面黒戦闘兵として歩いていった…。 赤戦闘兵の誰も、真佐美工作員が化けた黒戦闘兵にごく近い未来に襲われるなど、夢にも思ってはいなかった…。 涼楓は千葉県の地図通りの山の山中のファマガの新アジト近くに愛車を止めた。 そして、リックは車内に。 先行潜入しているベテラン 女工作員とコンタクトを取 るため、腕時計型無線機を右手首に嵌め、ファマガの新アジトに近づいた。 真佐美工作員はいかに、涼楓をアジトに潜入させるか? 涼楓はやはり、パトロール隊の黒戦闘兵に化けて新アジトに潜入するのか? 次回、1-Bにて全貌が明かさ れる…。 ミッション 1-A 任務完了。 ミッション 1-B に続く。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!