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思わず、後ずさりそうになったが、何故か影も後退する。
だが、後退した影は、思い直したように、こちらに向かって来た。
首に何かが触れた。
手だ。
ぐいぐいと、それは自分の首を締め付けてくる。
見えていないので、不思議な感じだった。
突然、首許が苦しくなったような、そんな感じ。
意識が遠ざかりそうになる。
暗闇に一面の白い花が見えた。
七竈の白い花――。
自分を苦しめるそれが頭に浮かんだことで、意識がはっきりとした。
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