ゴミ箱の霊
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「わかったわ」 暑さで首にまとわりつく髪を振り払うようにして顔を上げると、腰に手をやり、七月は言った。 「昨日、槻田先生がうちから帰ったあと、ひとりが此処を通ったのよ」 何か言いかける三橋を手で制す。 三村も止めた。 何か言いたいことがあるようだが、余計な口を挟まれては、進む話も進まないからだ。 「そのとき―― あれを見たの」 「……あれ?」 と三村が訊き返してくる。
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