ななかまど

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  「あ、なんか引っかかってる」  カラカラという音が耳を打った。  目を開ける。  三村が床に手をつき、身を乗り出して、扇風機を止めていた。  コードを本体に巻きつけると、それを手に廊下へと向かう。 「ももちゃーん。  ももちゃーん。  やっぱ、もう駄目だよ、これー。  ももちゃんの部屋のと代えて。  夜返すからー」  この上なく平和な声に、三橋は一気に現実に引き戻された――。
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