疾走する霊

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       槻田が三村たちと話している間、七月は少し先に行っていた。  立ち止まり、こちらを振り返っている。  アスファルトから立ち昇る熱気に彼女の姿が歪んで見える。  まるで、違う世界から降って湧いた夏の蜃気楼のようにも見え、槻田はふと不安になった。
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