犯人

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    三村くん、近すぎるよ……。  苦笑しながら、七月は夜道を歩いていた。  後ろから来ている三村の姿が此処から見える。  確かに自分と連れには見えないだろうが、すぐそこに誰か居ては、犯人は襲ってこないに違いない。  まあ、それも三村の策略か。  犯人をおびき出す気はさらさらなくて。  ただ、安全に帰らせようとしているのかもしれない。  でも、それじゃ駄目だよ、と七月は思った。  自分が誰かに殺されたと聞き、淋しげに夜空を見上げていた麻里の姿が頭に浮かぶ。  犯人を捕まえるかどうかはともかくとして、誰なのか知りたいし、知らせたい。  まあ、もしかしたら、思い出したらからこそ、麻里さんは消えてしまったのかもしれないけど。
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