569人が本棚に入れています
本棚に追加
三村くん、近すぎるよ……。
苦笑しながら、七月は夜道を歩いていた。
後ろから来ている三村の姿が此処から見える。
確かに自分と連れには見えないだろうが、すぐそこに誰か居ては、犯人は襲ってこないに違いない。
まあ、それも三村の策略か。
犯人をおびき出す気はさらさらなくて。
ただ、安全に帰らせようとしているのかもしれない。
でも、それじゃ駄目だよ、と七月は思った。
自分が誰かに殺されたと聞き、淋しげに夜空を見上げていた麻里の姿が頭に浮かぶ。
犯人を捕まえるかどうかはともかくとして、誰なのか知りたいし、知らせたい。
まあ、もしかしたら、思い出したらからこそ、麻里さんは消えてしまったのかもしれないけど。
最初のコメントを投稿しよう!