569人が本棚に入れています
本棚に追加
「上がってってよ、三村くん」
「矢部さん、さっきの話聞いてた?」
と三村は腕を組み、困った顔をする。
「二人で歩くのも緊張するのに、どうして部屋になんか入れるの」
「大丈夫だよ。
どうせ、すぐに来るよ、三橋くんと先生が。
それに、まだこのまま何もないと決まったわけでもないし」
まあ――
そうだね、と同意し、渋々といった感じで、三村は付いてきた。
エントランスを入りながら、
「外で待ってようと思ったのに」
ともらす三村に、
そうだと思ったから、上がってもらおうと思ったんだよね~、と思ったが、また彼が遠慮してはいけないので、黙っていた。
最初のコメントを投稿しよう!