犯人

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   「七月ちゃん!  あれっ? 七月ちゃんっ!?」  隆彦は会議中だと言うのに、スマホに向かい、何度も叫んでしまう。  七月の声が遠くなり、何か……  部屋に誰か……。  この声は――  三村くんだろうか? 『下りるね!』 と叫ぶ七月の声。 『あっ、ちょっと待ってよ!  矢部さんってば! もうっ!』  三村の声が遠ざかる。  七月はスマホを握ったまま、走り出したようだった。  その緊迫した様子に隆彦は立ち上がり、叫ぶ。 「七月ちゃん!  七月ちゃん! なにしてるの!  ひとりで行かないで!」  槻田先生は居ないのだろうか。  まずいな、と隆彦は思う。  七月ちゃん、結構無謀なところあるから。  おっとりした三村くんでどうにかなることならいいが。
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