ななかまど

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「……警察に捕まったって、七竈の呪いから(のが)れられるわけじゃないんだね」  三村がそう呟く。  まあ、考えてみれば当たり前のことだ。  警察で白状してみても、彼らが呪いを解いてくれるわけではないからだ。  林葉は逃げ場もない狭い場所で、なんの対処もできず、ただ呪いにさらされ続けただけではないのか。 「七竈の呪いねえ」 と百花が疑わしげに呟く。 「百花さんは信じてないんですか?」 「七竈の下を掘ったら呪われるって言うんだって?  そんな話だったかなあ」  そう百花は小首を傾げていた。 「だいたい、それなら、死体を掘り返した警察も呪われるんじゃないの?」
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