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「ああ、それ。
ナナツキも言ってました」
「ああ、七月ちゃん」
と百花は手を打つ。
「あの子、奇麗になったわねえ。
前から可愛かったけど、なんだか最近、一段と。
この間、コンビニであったのよね」
よくコンビニの新作スイーツの情報交換をするのだと言う。
「誰かいい人でも出来たのかしら」
と笑う百花を睨み、
「……誰も出来てないと思いますけど」
と低く呟くように言うと、彼女は予想していたように笑い出した。
「ああそうね。
そうだといいわね。
三橋くんは、七月ちゃんの親衛隊だもんね」
「なに古臭いこと言ってんですか。
そんなんじゃないですよ」
古臭いという言葉はまずかったか、と後から思った。
百花は最近、歳を気にしている。
此処で一発、歳よりはお若く見えますよ、などと言おうものなら、更にドツボにはまるだろうことは予想できて、さすがの三橋も黙った。
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