ななかまど

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 頭の上で風を切る音がする。  七月が自分に向かい、鉈を振り下ろしたのだ。 「うわっ」  ()()った自分の視界に入ったのは、白い花を咲かせた七竈の木と、月光。  そして、月光を背にした女の顔。  その顔は、確かに七月に間違いなかった。  後ずさり、手をついた場所に何かがあった。  視線を落としてみると、地面から手が覗いている。  また誰かが埋められている?  気がつけば、お尻の下にも何かあるようだった。  そっと腰を浮かし、覗き見る。  そこには、半分土から顔を覗かせた槻田が居た。  その目はもう何処をも見ておらず、(にご)っている。  半分見える口が何かを訴えかけるように、半開きに開いていた――。
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