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「パンダは何かを見たんだね。
僕らのうちの誰かが殺されかねない状況に陥るだろう何かを。
目撃し、推測したんで、予言じゃない。
そういうことだよね?」
「そう。
それで、貴方たちのことはよくわからないから、自分のことを思い返してみたのよ。
そうしたらさ。
昨日、ちょっと妙なことがあったの思い出して――」
「飛び出した海老が腐ったこと以外にか」
と三橋がいらぬ口を挟む。
七月は腕を組むと、夕暮れの光に眩しい横長なステンレスの容れ物を見下ろし、言った。
「海老じゃないものが腐ってるのよ」
「そういえば、微かに腐臭がするね」
と三村が言う。
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