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『私』 ――とは?
あ~、よく寝た、と思って、『私』は伸びをした。
此処のとこ、よく眠れなかったんだけど。
何故か、今日はよく眠れた。
しかし、それにしても、身体中が痛い。
ベッドから落ちて、壁との隙間に挟まって寝ていたような感じだ。
無理やり身体を縮めていたような痛さがある。
四角いベッドから這い出し、人の声がする方を見る。
あら? 凄い男前が目の前に――。
だが、彼は顔をしかめ、困ったようにこちらを見下ろしている。
此処、私の部屋よね?
と私は慌てて振り返ってみた。
だが、そこにあるのは、ピカピカ光るステンレスの長細い不燃物入れだった。
その向こうは植え込みと公園なのか空き地なのかわからない、だだっ広い場所。
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