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両親は嘆き悲しみ、国中は灯が消えたように沈んだという。
わたくしは「顔を見るのがつらい」と言う理由で両親とあまり交流もなく、どうせ冥府の王に嫁ぐのだからと姫らしいことは何もしてもらえず、まるで城の中に幽閉されたようにして育てられた。
わたくしを憐れんだ侍女が、父親の国王に申し出て、わたくし専用の小さなお庭と四阿をつくることを許してもらった。
わたくしは毎日、その綺麗なお庭に行って花を見たりお茶を飲んだりして過ごす。
他にすることもなく、退屈な退屈な毎日。
そうして日を過ごすうち、いつしか18年の歳月が流れた。
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