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アルテミス…
わたくしはゆっくりと中天に差し掛かる、美しい月の女神を見上げた。
わたくしはどうなるのでしょう…
このまま、一人寂しく年老いていくのかしら。
ハデスは本当に、わたくしを迎えに来るの?
それとも、わたくしが自ら命を絶って、ハデスの許へ行くの?
ハデスには愛妻ペルセポネがいて、ペルセポネは春・夏・秋は地上で過ごし、冬の間は冥界のハデスの傍にいるという。
わたくしの頬を、涙が伝う。
夜空を壮大な馬車で駆け抜ける月の女神が、わたくしの方を見て、微笑んで頷いたような気がした。
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