「あなたに そっと 問いかけて」

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私を「私」として見る世界は、あるのだろうか。 社会人として 専門家として 未熟者として 出来損ないとして 私は見られている。 私は、洗面所の姿鏡で、自分を見た。 ははっ・・・ ひっどい顔してる。 さっきの作り笑いが 嘘みたい。 いや、嘘なんだよ。 スーツを脱ぎ捨て、普段着になる。 「おかえり。」 鏡の中から、声が聞こえた。 あの子が 笑っている。 私は  泣いていた。 「ただいま。」
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