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錦司はいくに全てを話した。高校時代のあの悲劇を。
すると、いくが錦司の髪を優しく撫でてきた。錦司を慰めるかのように。
「ごめんなさい。辛いことを思い出させちゃったね…。」
「いや、いいんです。」
錦司は俯いて答える。
過去の辛い記憶が蘇ってきたのは事実だが、いくに話すのは別に悪い気はしなかったので錦司は気を悪くしているわけではなかった。
この病室に、哀しげな空気がしばらく漂っていた。
それから数十分後、二人は一緒に帰ったのだった。
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