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天使 錦司(あまつか きんじ)の高校時代は最悪なものだった。
ふくよかすぎる体型できつくなった制服姿でメガネをかけた…といった容姿のせいで、クラスメイトの同級生の男子たちから毎日のようにいじめを受けていた。
暴力を受け、暴言を吐かれ、机にはマジックペンで悪口を書かれ、トイレの個室に閉じ込められ水をかけられ…言い出したらキリがないほどの危害を加えられてきた。
相談できる友人もおらず、教師や親にいじめの話をしても耳を傾けてもらえなかった。
3年間、錦司はずっと独り苦しんできた。
それでも、高校3年生の頃にものすごく進学を希望する大学ができて、その大学のために猛勉強した結果、無事入試に合格してその大学への進学が決まった。
その大学の名は私立桜沢大学。埼玉県にある私立大学の中でも比較的エリートが集まる大学だった。また、男子の学生よりも女子の学生の方が多く、いじめのトラウマで同級生の男子が苦手な錦司にとっては好都合な環境である。
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