3 源氏の棟梁

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3 源氏の棟梁

「何が、何ですって?」 「驚かせちゃってごめんね。実は原口家で守っている義経神社は本物でさ。あなたは義経の末裔なのよ。今まで私達は家来として雪乃嬢を密かに見守ってきたわけ、ね、みんな?」  うん。と二人が笑顔で返すけど。 「いきなり信じられないですよ。親もそんな事、言って無かったし」 「それはね。昔、原口家が破産寸前になって、夜逃げしてしまった事があってね。これで義経の血は途切れたかと思ったの。でもあなたのおじいさんが帰ってきて原口家を復活させたのよ。だから今の原口家の子孫が、家の歴史を知らないのは無理も無いわ」  優子さんは、私の前に麦茶のグラスを置いた 「そうっすよ。あ、私の先祖は」 「まさか、武蔵坊弁慶?とか言いませんよね?武藤先輩」 「あはは。当たりっす!この体型は、先祖返りっす」  そう言ってお腹を叩く武藤先輩。マジで? 「雪乃先輩!原口の原って字に、さんずい付けてみてくださいよ」  た、確かに、源になるけどさ……。
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