2 雨の中を

5/5
前へ
/253ページ
次へ
 そう微笑むと彼女は、湯から上がり浴室から出て行った。その夜、私は優子さんの部屋をノックした。 「どうぞ」 「武藤先輩?佐藤さんも」  中には三人がテーブルに囲んで座っていた。 「原口さん。まあ、座って!ほら」  優子さんは嬉しそうに私の背を押し、部屋へ招き入れた。 「それでは改めて、我らの源氏の棟梁である雪乃嬢に、ご挨拶申し上げます」 「は?」 「雪乃先輩、実は私達。義経の家来の子孫なんです」  三人の笑顔に、思わず私は目を疑った。   つづく
/253ページ

最初のコメントを投稿しよう!

318人が本棚に入れています
本棚に追加