36人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、家から五百メートルほど離れたところにある公園に住んでいる、サビ猫のところにつれて行ってくれた。
大きな金色の目を縁取る長いまつげが印象的で、とても賢そうなそのサビ猫の名前はトーティ。
母性本能が強いサビ猫らしく、寂しそうにしていた女の子を慰めに近づいたらしい。
それから、毎日のようにご飯を届けてくれるようになり、今回の依頼を聞くに至ったそうだ。
「ここよ」
依頼者の家まで案内してくれた。
「あの子が依頼者よ。そして、あっちが例のお爺ちゃん」
怪しまれないように少し離れた場所から、家の中をうかがう。
「わかったわ。ありがとう。」
トーティに礼を述べる。
「どういたしまして」
と、満足そうに身体を擦り付けてから帰って行った。
よし、そうしたら仕事は今夜ね。
帰ってあいつにも言わないとね。
そろそろ起きたかしら?
最初のコメントを投稿しよう!