お悩みは野良猫にお申し付けください。

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そうそう、帰る前にこれだけはやっておかないと―― 塀を伝ってひょいと屋根に飛び移ると、依頼者の女の子の部屋に行った。女の子は自分の部屋で宿題をしているようで、机に向かっている。部屋の窓に近づきカリカリと窓を引っ掻いて、ナーンと一声鳴くと直ぐに気がつき、窓を開けてくれた。 「猫ちゃんどうしたの?」 女の子が顔を寄せてきたところに、私も顔を近づけて頬を寄せる、その後、こめかみの辺りに鼻先を当てた。 「あなたの依頼は受理されました。お代に記憶を見させて貰いますね。それと、今夜はこの窓を少しだけ開けておいてください」 そう女の子の頭の中に直接話しかけ、記憶をコピーした。 「分かりました」 女の子はお人形のように無表情に答え、机に戻っていく。しばらく、女の子の様子を眺め、顔に精気が戻ったのを確認すると、雪希と家路についた。
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