五話

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五話

○灯影の鯨 曲を投稿し終えて、一息つこうとテレビを着けた。 気がつけばもう朝になっていた。テレビでは朝のニューし番組をやっていたので、背をぐっと伸ばしながらぼーっとそれを眺めた。 芸能人のスキャンダルやら、児童の虐待事件やらで一日のスタートをピンクと赤で彩るようなお知らせが次々と流れていく。 だが、一つだけ異色なニュースがあった。 僕の住んでいるこの街の周辺の沖合いで、漁船が一隻遭難したらしい。救急隊が未だ調査を続けているとのことです、という一文でそのニュースは終わったが、僕にはどうも引っ掛かった。あまりにも無味無臭なニュースだった。 さて、そろそろ休憩はいいだろう。 一曲投稿したからといって暫く休むなんて生意気なことはできない。アイデアはまだまだ残っているのだ。 といっても、アイデアは僕の空想からではく、"彼"との思い出のなかにしかないのだが。 「……朦罵……君の気持ちは、これで合ってるんだろうか……?」
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