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その日、アタシは、復帰したキャバクラのアルバイトの仕事を終えて、始発の電車で独りトボトボと帰ってたんだけれど………。
最寄りの駅で降りて、自宅までの帰路を歩いていると、向かい側から歩いて来る見知らぬ男の人に、すれ違い様に声をかけられたの。
「………今からお帰り?」
「………失礼ですけど、アナタってどちら様?」
「僕がどちら様なのかは、アナタが一番よく分かっている筈だと思うけど………。」
「…………………………???」
彼は、名前を『沖 武流』と名乗った。
………………………タ・ケ・ル ?
「………アナタって、もしかしてもしかすると。」
「………そうだよ。本来、僕はアナタと言う器から生み出される筈だった人物。だけど、僕は自らの意志で時間軸をねじ曲げて、本流から支流に流れを変えて、アナタの下へやって来たんだ。」
「………ゴメンなさい。アタシ、まだ酔いが覚めてないみたい。………それとも、まだまだ飲み足りないのかしら。」
「言っときますけど、これは僕のファンタジーでもユーモアでも無いからね?………これが真実なのだから。」
「………アナタ、一体何者なの?」
「僕は、………時の守り人。」
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