時の守り人

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「………そう言う事で、アタシは今日の夜はバイトだから、お留守番はお願いね?」 その日の夕方、アタシは武流に言付けてから、アルバイトに行く支度を始めていた。唐突に、武流がアタシに呟いた。 「………ねぇ。………僕も一緒に行って良い?」 「あのねぇ………。言っときますけど、アタシは別に遊びに行く訳じゃ無いの。生活の為にしてるのよ。良い子はお留守番してて頂戴。」 「でも、僕はアナタの魅力的なところをもっと知りたいから。だから、下らない女ともっと出会う為に行く訳で………。」 「あのぉ………。意味分かって言ってるの?」 「………全然!」 ……………………………………………………。 ………取り敢えず、バイト行こ。 こうして、アタシの武流との暮らしは始まった訳なんだけど、何だかこの先、色んな悩み事が増えそうな気がして………。でも、世の中の母親って、こんなものなのかなぁ。もし、アタシが未婚の母を演じてたら、もっと大変な事が起きてたのかも知れないし………。 ある意味、ひょっとしたら、アタシって武流に救われたのかしらね………。
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