天使のラッパが壊れる時

出会いの予感

お店で働き始めてから一週間が過ぎようとしていた頃、運命の出会いが訪れたの。

その日、お店の営業時間が始まってから一時間が過ぎた頃。ひとりのカジュアル風の服装をした男性客が来店して、アタシはホール主任にエスコートされて、その男性客に紹介され、アタシがお相手する事になってしまったんだけれど………。

「………初めまして。アタシ、カナって言います。ヨロシクお願いします。」

「堅っ苦しいアイサツは良いからさぁ。早く座んなよ。………君も何か飲むだろ？」

彼の名前は、板倉信次。何だか気さくな人で話し易そうだから助かったかも………。と思ったのも束の間の出来事で、やがてはアタシのプライベートの事まで聞かれる羽目になってしまって………。

「………君って、彼氏とかいるの？」

「………え？………それは、そのぉ。」

「別にいても良いけどさぁ。………けど、そんな君なんかを働かせる様な男なんか捨てて、俺と付き合えよ？君のひとりくらいなら養える余裕くらいはあるからさ。………どう？」

アタシ、思わず彼の強引さに目眩がして、二つ返事で頷いてしまったものの………。