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私が教えてあげるのに。
今日の再試験に向かうバスへと階段を降りていく男の子を見つめていると思う。
かわいいのに、再試なんて受けちゃって。
電車いつも一緒でしょ、私のこと、見たことあるでしょ
学校一緒なんだし。
教えてあげるから、、、
階段を駆け下りて手首をつかむ。
ねぇ、私が教えてあげる
そのままバスとは反対方向に連れていく
動揺し固まる体と目がこちらを向いている
学校なんて行かないで、私が、教えてあげる
え、でもバス
学校行きたいの?
いや、でも行かなきゃ、
掴んだ力を強めてぐっと引っ張り無理やり歩き出す
気づくとエレベーターのなかだった。
2人きり。
ねぇ、私と同じ電車乗ってるでしょ、いつも
え、ああ、うん、はい
今日、抜け出せてよかった?
え、
男の子が答えるうちに
空いていた左頬に口をつける。
エレベーターの扉が開く
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