第1章 幼馴染5人組

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第1章 幼馴染5人組

「夏休みも明日で終わりかあ」 夕食を食べながら呟く。 父「宿題は終わったのか?」 「宿題なんて、とっくに終わってるよ」 母「じゃあ、お父さんも休みだし、みんなに言って海にでも行こうか?」 「そんないきなり呼んだって、皆んな来れる訳無いよ」 母がママ友グループにLINEする。 次々と返事が帰って来た。 母「皆んな行けるって」 と笑顔で言ってきた。 父「会社の車を借りちゃおうかな?」 「会社の車を勝手に借りたらマズイでしょ。中学生でも分かるよう、そんな事」 父が社長にLINEを送る。 すぐに返事が返って来た。 父「良いって、返事が来たぞ」 まったく何て会社だ。 すると幼馴染5人組グループのLINEが動き出す。 最初の書き込みは、耕太こと秋山耕太(アキヤマコウタ) 同じ中学、同じ野球部のキャッチャーで5番、性格は明るくムードメーカーだ。 耕太の書き込みは (明日皆んなも行こうぜ!) そして次の書き込みは、彩香こと一条彩香(イチジョウアヤカ)だった。 僕は彼女の事を小学校の時から好きだった。 頭が良くて美人だ。 目は二重でくっきりしていて、髪は長く身長は160cmを少し超えている。 清楚という言葉が彼女にはピッタリだ。 彼女の書き込みは (いいよ、私も行くわ) 僕は彼女の水着姿を想像してしまった。 次の書き込みは 祐輔こと大野祐輔(オオノユウスケ)。 耕太同様、野球部でエースで4番。身長180cmから投げ下ろすボールは、角度も鋭くスピードもある、更に球質も重く、東京都の中学生の中でも1、2を争う程の実力者だ。 すでに何校かの高校推薦も受けている。 祐輔は無口で、どちらかというと無愛想である。 ただ、たまに言うブラックジョークで皆を和ませる時もある。 祐輔の書き込みは (行く) と一言だった。 耕太から、また書き込みが入る。 (勝利も行くんだろう?) 僕は (勿論、行くよ) と書き込む。 ちなみに僕は、 小野勝利(オノカツトシ)、でも皆んなは僕の事を「ショウリ」と呼んでいる。 身長は160cm、野球部で控え投手だ。 ただ小学校の時に言った夢 「甲子園で優勝投手になって、プロ野球選手になる」 を目指して頑張る中学3年である。 そして、また書き込みが入った。奈緒こと飯嶋奈緒(イイジマナオ)。 彼女は大人しく目立たない存在だが、目は二重でくっきりしているが、小さい頃からメガネをかけている。 身長は150cmぐらいで、髪の毛は肩に掛かる程度だが、少し天然パーマがかかっていて、軽くカールしている様な髪質だ。 人と話すのが苦手で暗い子だと学校では言われている。 奈緒の書き込みは (私も行きます) と書かれていた。 幼稚園からの幼馴染5人は、久しぶりに集合する事になった。 父は車を会社に取りに出掛けて、準備は万端で明日を迎える。 僕はベッドで横になり、莉乃にLINEを送ろうと携帯を手にした。 キャンプが終わってから、進展は無いが、何かある度にLINEを送る。 いつも最初の書き込みは僕からだった。 本当は夏休み中に一度は会いたかったが、日程が合わず会えていない。 出来れば、早く会って告白をしたい。 ただ、LINEでは物事を簡単に伝える事は出来るのだが、直接電話をする勇気が無い。 実はキャンプ後も電話はしていなかった。 LINEに書き込みして莉乃に送信した。 (明日は、会社のマイクロバスを借りて、ママ友の5家族で海に行って来ます。) するとすぐに既読になり (分かった。気をつけてね。ウミヘビに噛まれないでね) (うん。気をつけるね) (もしかして、あの子も行くの?) 彩香ちゃんの事を言っているのだと、すぐに分かった。 (うん) と答えると (ふ〜ん。楽しんで来てね) (僕は莉乃と、どこかに行きたいよ。) (本当?) と返ってきたので (うん。本当だよ) と送る。 すると (私も) と書き込みがあった。 (明日はダメなの?) と送るが (ダメ) とだけ返事が返って来た。 (そうか残念だな。じゃあ寝るね。おやすみ) と送ると (ごめんね、おやすみ) と返事が返ってくる。 ただ、こうして莉乃とLINEするだけでも、繋がっている様な感覚で、僕の心は満たされていた。 そして翌日
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