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金
「クソ!またスロットで負けた。今月どうやって生きていこう」
そう言いながら、金髪にアロハの男は悪態を突きながらズボンのポケットに手を入れ不機嫌を辺りにまき散らす。
街行く人は誰も彼には近づかない。何故なら彼はこの辺りでは有名なチンピラである。
誰彼かまわず文句を言い。隙あらば金にしようとするような危ない人物であった。
何時もの様に散在した後、飯を食う金も残ってはいない彼はいつもと違う道を彷徨いながら歩いてた。
「金金金。どいつもこいつも貧乏人ばっかりだな此処は」
道で泣いていた子供から、無理矢理かっぱらった駄菓子を口に入れながら男はその店に辿り着いた。
「何だこの店気持ち悪い。骨董店か、しけてるが一個くらい値打ち物もあるだろうな」
そう言い店の看板に乱暴に書かれた”ひひひ骨董品店”という文字を軽く叩くと揺れる様子を見ながら、暫くするとニヤリと卑しい顔つきに変わった。
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