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「実は家の中の物が、少しずつ無くなったり増えたりしているんです」 「それは変わってますね。もし本当だとすればストーカーの線が濃厚かと」  そう言いながら、笑顔で警察署に相談に行くように促した店主らしき男はこれで厄介事とはおさらばだと本を手に取ったが、隣りにいた女性はジュースの封を開けると一気に流し込んだ。 「いえ、それは有りません。私の事なんて誰も見てませんし、それに暫く警察官の方々について頂いた期間もありまして」  家の周りの見回り巡回や仕事の送り迎えをして貰った時期が有ったそうだ。家の中の様子の変化を毎日写真に撮影し、実質的被害が出ていた為の措置であった。 「はぁ、まぁ取りあえずその写真見せて頂いてもいいいですか?」 「そうですね、見て頂いて欲しかったのもありますし、骨董品店初めて来たので」  何やら店主らしき男に見て欲しいモノが有ると聞き、少なからず興味の湧いたので、とにかく写真を見て何が無くなり、何が増えたのかを見せて貰う事にした。
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