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「おい!この店骨董品店なんだってな。実はなこの店で買って欲しい物が有るんだけどよ」  場違いに五月蠅い金髪の男は、店に入るなりいきなりそう言うと脇に抱えた壺を乱暴に地面に置くと林早にまくしたてた。 「あんたラッキーだな。コイツはな、この辺りの骨董品店全ての店が欲しがってんだ。一千万するこの壺を実は今すぐ現金が入り用でな、今なら六百万で良い。骨董品店なんだろ?さっさと鑑定してくれ後五分だ。五分過ぎたらほかの店に持って六百万で即金に換えるからな」  奥に居た店主らしき男は、ただじっとその様子を見ていたが金髪男のなりと持って来た壺を見るなり、興味なさげに持っていた本を再び読み始めた。 「何だぁ?お前鑑定も出来ねぇのか!この店は骨董品店なのに鑑定も出来ねぇなら店何て畳んじまえ!!」  金髪男は急かし焦らせれば、このガラクタを言い値で買わせる事が出来ると思っていた。しかし、目の前の男は興味すら持とうとし無かった為、強硬手段に出た。 「何だ、口ついてないのか?だったら何しても口答えすんなよっ!」  言うや否や拳を振り下ろした。しかし、次に悲鳴を上げたのは金髪男の方だった。 「いででで、折れた折れたじゃねぇか!慰謝料だ!すぐに持って来い!!」  殴っておいて店主らしき男に当たった瞬間、自分の拳が音を立てて砕け痛みにのた打ち回りながら慰謝料を請求すると言う暴挙と横暴を行う。  呆れた末、とうとう店主の男も溜息一つ付き困り顔で椅子から立ち上がった。正直、相手にしたくはない。
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