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「うわぁぁぁぁ!!人が、女の子が死んでる!!」
あの男であろう声が森の中で響き渡った。叫んだ方向に小走りに向かうと、男が腰を浮かし座り込んでいたが、目が合うと何処か森の中に逃げ出した。
残された店主らしき男は、恐る恐る女の子の方に寄っていくと、一瞬指が動くのが見え死んでいないと解ると、すぐさま駆け寄った。
「大丈夫か!お前は、、、、、、、、」
怪我をしていたが命に別状はなかった。恐らく怪我の様子から見ると頭の傷口の様な場所が塞がっている事から、今日此処に転がり落ちた訳では無さそうである。
しかし、問題は怪我ではなくその顔であった。
「何で、さっき上で待ってろって言ったのに」
先程まで一緒にいた女の子であった。しかし、服装は泥だらけでどう見ても今ついたばかりと言う様な汚れでは無かった。
その傍らには、籠が転がっていた。微かに発光していたが、近寄ると光りは消えてしまった。
「蓋が空いている。そうか、彼女は」
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