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「どうしても喉渇いちゃって、お話どうぞ」  店主らしき男はいつも通り自分のペースでそう話すとペットボトルの殻を潰し、隣にあった頭部のない西洋甲冑の胴体の中にゴミ箱代わりに放り込んだ。  一瞬、こんな男に話しても無駄ではないのかと思ったが、折角此処まで足っを運んだので話だけでも聞いて貰ってから帰ろうと意を決し話し始めた。 「実は、毎日私の家のポストに釘が届くんです」 「変わったアプローチの恋文ですね?すみません冗談です」  冗談を言った瞬間に女性が席を立とうとした為、店主らしき男は慌ててそう伝えると、少し怒った感じで続きを話し始めた。 「始めは何処かに落ちてた釘をうちの釘だと思って入れてくれてたんだと思ってたんですが」 「何度もそれが来て、どんどんエスカレートしたんですね」  店主らしき男がそう察して答えると、驚いたような表情からようやく相談してもいい相手だと認識した様で、続きを話し始めた。
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