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 店主らしき男も挑戦的にそう言葉を返す。接客業に変わりはない、ならばこういった高圧的な男に対して決して諂う様な真似をしてはならないと理解していた。  視線が合う。昨日と同じような根競べが始まるかと思いきや、すぐさま細身の男は言葉を返した。 「確かに、まあ金はまた持って来よう。とにかく命だ、コイツに命を与えるんだ」 「そう焦ってはなりません。事は命を授かるんです、時間がかかるのは当然です」  そう言うと今度は訝しげに店主らしき男を睨みつけた細身の男は、昨日と同じようにナイフをちらつかせると言葉を返した。 「そう言って時間を稼ぐ気か?だったら今ここで方法を聞いてぶっ殺して試すだけなんだが」 「そんな事をするなら、私も段階的にしか貴方に情報を伝える事しか出来ませんね」  けん制のし合いが続いた。しかし、次の一言で事態は一転する。 「そうか、なら誰かさらってぶっ殺すか。命に時間がかかるなら他から持ってくるか??」 「貴方自身、私のでは駄目だとおっしゃったでしょう?他の者の命では意味が無い事は貴方自身が理解している事だと思いますが」
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