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「てめえがついさっき会ってた野郎のことだ! 結構な色男だったじゃねえか。あいつはお前の何だって訊いてんだ!」
「……ッ、し……知らない……何のことだか……」
「しらばっくれるな! てめえが川崎の駅前で会ってた野郎のことだ! 二人してタクシーに乗って何処へ行ったのかって訊いてんだ!」
”あの男”というのは遼二のことを言っているのだろう。
「そんなに庇い立てするような相手ってわけか? 学ランを着てたところを見ると、ヤツも学生だろうが。あの辺りで学ランの高校を調べりゃ、すぐにも正体突き止められるんだぜ!」
そう怒鳴ると同時に、帝仁という男は帝斗を床へと突き飛ばした。
「お前も大概好きモンだな、帝斗! 他所の学生を引っ掛けたと思いきや、今度は下級生とお飯事ごっこか? 俺には鼻も引っ掛けねえくせして……生意気に男漁りなんぞしやがって!」
苛立ちをあらわにドカッと帝斗の脇腹を目掛けて、立て続けに数度蹴り上げた。
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