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紫月にメールで知らせた時に、念の為、例の子供からもらった指輪を持って来るように伝えておいたのだ。
「ああ、うん持ってきた。これだけど……」
紫月は胸ポケットから指輪を取り出すと、遼二へと手渡した。
寝ている男の掛け布団をそっとまくり上げて、起こさないように指先だけを確認する。
「間違いねえな、そっくり同じ形だ――」
「ならやっぱり……」
「こいつが……お前の捜してた野郎ってことになるな」
「…………」
無言のまま、互いを見つめ合った。
◇ ◇ ◇
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