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「もう真夜中、つか丑三つ時ってやつ? 寝る時間、あんましねえな」
「誰かさんが急に発情すっからだろ」
「しゃーねえだろ。俺ン息子は根が正直なんだ」
「出たよ、オヤジギャグ! 息子つか、てめえがエロいだけだろーが……」
互いの腹や腕をつつき合いながら、物置部屋を出て部屋へと戻る。もう深夜もいいところだから、階下の両親を起こさないように忍び足だ。すっかり忘れ掛けていたが、自室には例の指輪の男もいることを思い出して、二人はより一層忍び足で部屋の扉に手を掛けた。
「あいつ、まだ寝てるよな?」
「ああ、多分……」
――が、一歩中へ入ると、ベッドの上で何かが動く気配を感じて、二人はハッと瞳を見開いた。
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