苦悩の日々

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 帝斗は涙を拭うと深呼吸をし、今度は少し落ち着きを取り戻さんとするような懸命な口調で先を続けた。 「それからの僕は紫月というあの時の少年の存在が心の糧となった。以後も従兄からの執拗な仕打ちは続いたけれど、是が非でももう一度紫月に会いたいと思う気持ちが僕に堪える力を与えてくれたんだ。その頃だよ。ちょうど高等部にあがった頃だ。僕は――倫、お前に出会った。中等部の中にお前を見つけた。理由は解らない、けれど酷く惹かれてならなかった。無意識に校舎の中でお前の姿を捜すようになった。それからはさっき言った通りだよ。僕が生徒会長になったあかつきには――その権力を屈指してでもお前を自分のものにしたいって思うようになった。けれど僕は――知らずの内に方向を間違えたんだ……。自分でも気付かない内に……あいつと……あの従兄と同じことをしていたなんて……! お前を無理強いしたのだって、まかり間違ってあいつとどうにかなる前に……お前と結ばれてしまいたかったからなんだ」
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