兄が語る、弟の過去

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兄が語る、弟の過去

マキシミリアンは、俺と一番上の弟にとっては、かなり年の離れた弟でした。 マキシミリアンが生まれたばかりの頃は、マキシミリアンのすぐ上の姉ーー俺にとっては妹です。にべったりとくっついていました。 その頃、父上も母上も、俺と一番上の弟にべったりとくっついており、また、ようやく生まれた娘である妹ばかり大切にしていました。 要は、マキシミリアンは放任されていたんです。 けれども、マキシミリアンには、ちゃんと乳母がついていました。ですから、全く放任されていた訳ではないんです。 ただ、両親からは見てもらえませんでした。 マキシミリアンは誰よりも努力家で、両親に関心を持ってもらう為に、兄弟の中で一番、努力していました。 それでも、両親は見てくれなかったようですが。 俺と一番上の弟も、丁度、騎士団に入る者が必ず入る騎士学校に入学したばかりで、とてもマキシミリアンに気を配る事が出来ませんでした。 そんなマキシミリアンを唯一、気にかけていたのが妹でした。 マキシミリアンは妹にべったりくっついて、妹の真似ばかりしていました。 知っていますか? マキシミリアンは妹の真似をして、ドレスを着た事もあるんですよ。 その時の絵を残せなかった事を、俺と一番上の弟は、かなり悔いています。 可愛いマキシミリアンの姿を見たかったと。 やがて、俺と一番上の弟が騎士団に入隊し、妹が行儀見習いとして外に出されると、両親の注目はマキシミリアンに移りました。
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