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弟と共に出発
覚醒剤使用者という前科が付き、再出発を弟と共にすることになりました。
ですが、社会の目はやはり冷たいものでした。
自業自得ですので、弁解はしません。
悪いのは私であり、私の弱い部分でもあります。
その中で、温かい友人も居ました。
拘置所を出た初日、私の友人3人が私を待っていてくれました。
昔は悪友でもあった3人だったのですが、今は家族を持っている人も居り、私の実家に足を運んでくれました。
その中の1人は、私が覚醒剤が警察に見つかり、私が痩せ細り、人間の姿が出来ていない時に心の支えになってくれた人でした。
まだ覚醒剤が体に残ってご飯が食べれない。
覚醒剤の作用で睡眠も取れてなく、頭痛に悩まされ、後遺症からか、人間不信になっていました。
お金もなく、さ迷っていた時、その友人からの誘いがありました。
「飯食うぞ!飯を腹一杯食え!」
行き付けの居酒屋に連れて行ってもらい、ご飯にお酒を勧められました。
ですが、私はお酒を飲むのもご飯を食べるのも、体力が無くなってしまっていたため出来ませんでした。
その友人は強要しませんでした。
「自分のペースでいいよ。」
と言い、私もあまり喋ることができなかったのですが、友人はじっと私を見守ってくれていました。
私は風呂も入っておらず、体力がなく、
「食べれるなら甘いものなら食べれる」
と言うと、
「よし、一緒に広い風呂行くぞ!そこで好きなもん食べろ」
と言われ、私を連れて行ってくれました。
私はその時の光景が今でも目の前に浮かびます。
物凄く申し訳なく、裏切ってきた私をまだ信じてくれる友。
その友人たちが家に来てくれ、私と酒を飲んでくれました。
父の実家でご飯を食べたのですが、本当にみんなに感謝しました。
絶対裏切れないと思いました。
そして、その1日が終わり、次の日からは弟との再出発に向け、準備を始めました。
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