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それ以来、ボクと貴彪は、事あるごとに一緒に行動させられた。 食事の席、それぞれに家庭教師がついての勉強や運動の時間、遊ぶ時間も一緒に過ごすように言われた。 情けないことにボクは、同い年男の子がこの屋敷でずっと暮らしていたということを、この時初めて知ったのだ。  ボクはそれくらい茫羊と、呑気に楽しく過ごしていた、幸せな子供だった。 そんなボクに貴彪は、初っぱなから意地悪だった。 「なんだよオマエ。そんな事も知らねえの?」 ニヤニヤしながら、わざともったいぶって説明してみせる貴彪。 アイツは、ボクが知らなかった色々なコトに気がついていた。 ボクの存在も、アイツは前から知っていた。 父親が同じで母親が違うこと、ボクより自分が3ヵ月年上であることを、ボクは大人からでなく、アイツから聞かされて初めて知ったのだ。 端々に敵意を持ち、何かある度につっかかってくる嫌なヤツ。 その癖、勉強でもかけっこでも、何一つボクに勝てなかったアイツは、負ける度に悔しそうに顔を歪めていて… ボクはそれが、とても小気味良かった。
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