89人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
悔しいが、アイツの力は本物だった。
今思うに、早熟なボクは伸び代が少なく、その間あいつは、泥臭い努力というやつを続けていた。
ボクの大嫌いな、スマートでない不器用なやり方に、ボクは敗けてしまったのだ。
ボクに負けることがなくなって、余裕が出てきたせいか、アイツは次第に、ボクに対してイヤな態度をとったりすることもなくなった。
というか、高学年くらいになるとボクらは、なるべく接点を持たず、互いを無視するようになっていた。
だが内心、ボクは焦っていた。
そして、ボク以上に周りの大人は焦っていた。
そんな大人達の企みを知るには、ボクは素直でありすぎた_____
最初のコメントを投稿しよう!