3章 変化

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「本当に。何があるか分からないものよね」 「昨日俺がフロアに戻ったら、さっそくうちのメンバーがざわついてたよ。華原が来たって」 「何でそんなことでざわつくのよ……」 「そりゃ、華原は我が社の有名マドンナだから」 茶化すように笑う石堂を軽く小突く。 「秘書課と違って、そっちは男所帯だもんね」 これまで女の園でしか働いたことがなかったので、男所帯のイメージがつかめない。 そう告げると、「華原は華原のままでいたらいい」と石堂は言った。 「ただし、物理的な距離が近くなったことで、華原にちょっかいかける男はいるかもしれないけど」と付け加えて。 どうやら紫のファンが営業部にもいるらしく、その男たちが騒いでいるらしい。 とは言うものの、今の営業部は仕事中に女にちょっかいを出す余裕のある人間はいないそうなので、仕事中の実害はないだろうとのことだった。 そのタイミングで紫のカクテルが運ばれて来て、二人は自然とグラスをあわせた。 「「お疲れ〜」」 紫がグラスの中身を一気に飲み干すと、石堂が小さく口笛を吹く。 「良い飲みっぷりだな」 「喉がカラカラだったから」 ウェイターに同じカクテルをもう一杯頼んだところで、紫は気になっていたことを聞いた。
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