焼肉はタレが命

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焼肉はタレが命

「俺も似たようなもんだよ。周りが彼女がいる連中ばかりでなんとなく焦ってきて、こうして合コンに初めて参加したけど……ふっふっ、まぁデビュー戦は苦いものにはなったけどな」 「……佐藤さんって、結構喋るんですね」 「……まっ、まぁな」 自分がこんなに自然と話せている事に、驚いた。 「……そろそろ帰るか?」 「……はい」 事前に工藤達から預かっていたお金を基に会計を済ませ、店内を出る。二人で道路に出ると、看護師が「今日は、ありがとうございました」と言って、頭を下げた。 「……美味しい焼肉屋があるんだ。タレが旨くてさ……カルビなんか絶品」 「焼肉ですか!?いいですね……大好物です」 「……そっか」 どうしてこんな話し出したのか、明確な答えはない。無意識に、自然と出た言葉だったから。 「……はい」
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