我々はネコである。干支には無い。

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「日本には『干支』というものがあるのだが、そこに我々ネコが選ばれていないのだ。これは由々しき問題である」 「なにっ! それは聞き捨てならねぇな! 一体どういうことだ?」 「そうよそうよ! そもそも、私たち以外にどういう動物が選ばれてるのよ?」 「ふむ。干支にノミネートされているのが、これら十二種類の動物なのだがーー」  トニャンプは干支一覧を、ニャニャとメイウェニャーに見せた。 「はあ、こいつらか。  で、トニャンプは何が言いたいんだ? 13番目の干支として、俺らネコを売り込もうってことか?」 「『13』という数字は、縁起が悪いからな。だから、どれか一つを蹴落とそうと思っている」 「なかなか面白そうじゃない。で、どの動物を干支から外すの?」  ニャニャが眼を、爛々と光らせながら言う。
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