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原爆投下は悪魔の仕業だと彼は思った。でもよく考えてみるとある意味人間は悪魔のようにひどいと彼は考えていた。
原子爆弾を作ったのは人間なのだからひどすぎると芳彦は思った。
人間が人間を殺すということはばかげているくだらないことだと彼は考えていた。
人というものはもっとレベルが高いものだということを彼は思った。
修学旅行から帰るとまた普段の授業を学校でした。広島県で見た光景が脳裏に焼き付かれていて思い出してしまった。あれは何だったのだろうか。それは芳彦にはわからなかった。
学校から帰宅して広島市のことを考えていた。
そこに悪魔のようなものが姿を見せた。
「お前は私の行いに不満なのか?」と問いかけてきた。
「ひどすぎますよ」と芳彦は答えた。
「ひどいとはお前のことだ」
「どうしてですか?」
「わからないのか?」
「わからないです」
「お前は悪人になりたいのだな」
「どうしてですか?」
「広島の原爆をどう思っているのだ?」
「ひどい、ひどすぎる」そんなことを芳彦は休日の自宅でしていた。話し相手は悪魔だった。まさかと思い気持ちをまともにしようと思った。
すると悪魔は姿を消した。一人で話していたのかもしれない、と彼は信じられなかったのだ。
何だったのだろうか?
幻覚だったのだろうか。悪魔を見てしまったがひどいものだった。
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