人食い鬼になった日

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人食い鬼になった日

私、御伽朝姫は悲しいほどに澄んだ子守唄が聞こえる度に、あの日を何度でも思い出す。 二◯一◯年の八月一日、私が兄を食べて、人食い鬼になったあの日を。 貴方を喰べた日から、私の両手は血塗れの枯木だった。 ある森の奥深く、既に貴方の姿は無く、私は血塗れの口で貴方を呼び続けていた。 貴方は一体何処に行ったのだろう。 嗄れ声で貴方を呼ぶ。 どうして、こんなことになったのだっけ。 私は兄と一緒にハイキングに行ったあの日のことを回想しようと思う。
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