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「爽 堀美の話もどうでもいい。お前、仕事し過ぎじゃねえの?あんま、無理すんなよ?」
「仕事っちゅうほどの仕事してない。大げさ。あんたの知らないトコで、この夏、アタシ、大人の階段をね、ちょっくら上っちゃたんだよね?
喰らったダメージの分、人生勉強させてもらってるから大丈夫なんだけど。
人生勉強の方のミッションをね?コンプリート目指し中なんすよ、今。
仕事とは関係なく。とにかく今は、ひとりで踏ん張る時だと心得てますの…あ、さわ 来た!おつ!」
「やっくん、きぃ、お待たせ。つか、やっくんまた背え 伸びたねえ。」
「やっぱり!ほらあ、言ったじゃん!やっぱ伸びたって!」
「しつこい。その話、もう終わってる。」
「スミっち今日、委員会だって。始業式早々、めっちゃ気の毒。
あ、しんちゃんクン、きぃんちの方向だって言うから、帰り一緒にと思って。
やっくん、はじめまして だよね?こちら『しんちゃん』クン。
小2までスミっちの近所、てか、きぃのおじいちゃんちのお隣に住んでたんだって。
今日転校してきてうちらと一緒のクラスになったんだ。
んで、こちら『やっくん。こと 武田尾 八雲』クン。
小中高、きぃやうちと一緒で、今はきぃと同クラ。
きぃの兄ちゃん西周 瑞稀って、この学校でいちばんの有名人なんだけどね?『殿堂入り王子』とかってバカバカしいあだ名つけられてるシスコン野郎。そのシスコンきぃにいに、きぃの『お世話係』に任命されてて、ね?やっくん。そんなこんなで、このふたり、いっつも一緒にいるんだよね。」
「稀波のお世話係はおめえだろが、爽 堀美。俺はそんな任命受けた覚えはねえ。」
「どっちもお世話係のつもりはないよ、アタシは。お世話かけてんのは認めるけど。
それより、しんちゃん。今、しんちゃんのお家 うちんちの近所なの?うち、2丁目だけど、しんちゃんちは?何丁目?」
「オレんち、3丁目。めっちゃ近そうやね?」
しんちゃん、君 ホント何なのよ。席は寿実ちゃんの後ろで、家はアタシんちのお向かいって。
しかもアタシん時は『大家さんちの孫のきぃちゃん』だったクセして、お兄ん時は「きぃにい、久しぶり!会いたかった!」て。
「会いたかった」てか。
はあ。何なのよ。
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