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ふわりと浮き立つような感覚と同時に、由香奈は涙を零していた。溢れてくる感触のあとに締めつける膣内を味わうように休めてから、松田は指を引き抜いた。
そのまま由香奈の足から下着を引き抜く。膝の間に体を割り込ませながらワンピースの裾を持ち上げて下着ごと一気に剝ぎ取る。華奢な由香奈のからだにはそぐわない大きな乳房が揺れる。
松田はさっきまでとは違うやや荒々しい手つきで片方を揉みしだき、もう片方にしゃぶりつく。やはりシャワーを使ったのであろう彼の髪が湿っていることに由香奈は今頃気がつく。まぬけだ。
乳首を強くつままれたり吸われたりするのは痛いから嫌いだ。そのことも松田はもう知っているから痛くはしない。この男は、由香奈がそうと思う乱暴なことは基本的にはしない。
乳房を撫でまわされる間も、今は触れられていない場所が切なく疼く。つま先が動いてしまう。
吐息をかみ殺しながら由香奈は気を逸らすようにテレビの画面を見上げる。いつの間にかニュースが終わってバラエティー番組が始まっている。ドラマ仕立てのクイズの出題。答えは……。
するとやっぱり、いつの間にか準備を終えた松田のものが由香奈の間を滑った。コンドームでぬめぬめして気持ちいい。芯の熱さはしっかり感じる。
「あ、あ…ん……っ」
由香奈はたまらずこの日いちばんの嬌声を跳ね上げる。クリトリスをさぐった先端がまた前後して陰部全体を滑りまわる。由香奈はこれが大好きだ。ぞくぞくと背筋を快感が走り抜ける。肌がざわめいて乳首が痛い。
何度となく嬌声を発しながら由香奈は思わず腰を浮かせる。左右に揺らして自ら男のものを迎え入れる。
とたんに松田は一気に体を進めた。由香奈の足を抱え上げて爆発させるように腰を打ち付ける。抜き差しで刺激されるたびにいやらしい音が響く。
だけど由香奈の高まりは男を咥え込んだ瞬間に妙に冷静になっていた。
松田とのこれまでの行為を思い返す。彼はいつもこうだ。始めは落ち着いてはいても最後には激しく攻め立てる。当然だ。溜まり溜まったものを出したくて、由香奈を呼ぶのだろうから。
(なんていったかな、あれ……)
由香奈は最近目にしたピンク色の広告を思い出す。電話一本でお好みの女の子を派遣――そう、デリヘル。あれみたいだ。由香奈がもっと子どもの頃から父親に命じられてしていたこと。それは世の中にあるビジネスのひとつなのだと由香奈は知った。知ったところで何が変わるわけでもないけれど。
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